江戸町85番だより第21回(2018年8月放送分)
原:お商売されている方は得すると思います。
ついこの前、ニュースでやってました。大阪のたこ焼き屋さんが脱税していたと。1億3千万の。聞きました?
ジャッキー:知らない知らない。ニュースとか全然見てないんですよ。テレビ見る時間もなく、ニュースチェックする時間もなくみたいな。
原:働いてるんですか。
ジャッキー:走り回ってます。
原:そう、たこ焼きで脱税1億3千万って凄いなと。
ジャッキー:やりますね。凄いですね。
原:一体なんぼ儲けてるんやみたいな。なんぼ売り上げ上がってるんやみたいな。
ジャッキー:すごい売れてるんですよね、そしたらね。
原:えっとね、3年間で5億円の売り上げって。
ジャッキー:はいはいはい。で、1億3千万の脱税ですか。やりますねー。
原:それでどうでもいいんですけど、8個600円でした。大分高いですね。
ジャッキー:8個600円。まあでもそんなもん、いや、高いか。
原:10個500円とか。8個500円とか。まあ、ちょっと高い。
ジャッキー:ちょっと高い。
原:まあそんな、値段はいいんですけど。
脱税ってことでこの方捕まっちゃったみたいなんですけど、皆さん脱税かどうかとかチェックされるのって、実は税務調査でバレちゃいます。調べられちゃいます。ジャッキーさんって税務調査受けたことあります?
ジャッキー:僕ないですね。
そもそも税務調査ってあれ絶対来るの?いつか必ず来るんですかっていうのもわからないし、来る人、所には特徴があるのかとかね。きっとそういうのってみんな知りたいと思いますね。なぜ来んのみたいなとか。
原:お教えしましょう!
ジャッキー:教えてください!
原:ちょっと今疑問が出ましたので簡単にお話ししたいと思いますが、そもそも来るの?ってことですよね。商売されてる方には一応ルール上は来ます。
ジャッキー:ルール上は来る。で基本的には、まあ必ずと言っていいほど来る、という感じですか。
原:一応皆さん、確定申告とかされますよね。
ジャッキー:法人だったら法人の決済の後、申告しますよね。あと個人だったら2月、3月の間に確定申告しますよね。
原:で、その出したものが書面を見る限り、見た瞬間怪しいって思うようなものがあるわけです。見る人が見たらわかるような。そういう、ちょっと怪しい感じのものは調べに行こうかな、税務調査しようかなっていう対象になります。
ジャッキー:それは、怪しいっていうのはどの辺が。こう、知ってる範囲で言うとこんなんだったら怪しいよっていう。
原:わかりやすいところでいくとですね、交際費がとても多い人。普通この業種だったらこれぐらい経費使うよねっていう、まあこういうお金使うよねっていうものから逸脱しているものは怪しい範囲に入って、特に交際費っていうのは要は遊び代、飲食い代みたいなもんじゃないですか。だからそれが以上に多い人はやっぱり、あれ、仕事じゃないものも入ってんのかな、計上されてんのかなっていう疑問を持つきっかけになります。そういう所、そういう方はちょっと調べに行こうかなっていう対象になりやすいですよね。逆に真面目そうな、もうほとんど経費も上がってない、税金だけすごい払ってるような方は逆に優良、まあ見に行かなくてもいいやっていうことが多いです。
ジャッキー:ああ、この人きちんとやってくれてるねってことで、あまり対象にならないケースがあるってことですよね。
原:で、さっきルール上って言いましたのは、ルール上は大体3年から5年にいっぺんぐらいは、まあチェックしますよってことにはなってます。で、あとはですね、税務調査に来ない人っていうのもいまして、来ないっていうのは、そもそも、来る対象じゃないって人もいる。いわゆるサラリーマンですよね。サラリーマンの方、確定申告はしませんから。
ジャッキー:行ってもしょうがないですよね。
原:そうですね、ほとんど勝手に計算されて申告しているような税金を納めてる形です。
ジャッキー:自分で納めに行くことないですよね。
原:そうなんですよ。
ジャッキー:自動車税くらいですか?
原:そうですね、それは振り込みに行くだけですね。
ジャッキー:そうですよね。
原:自分でお商売されている方はですね、今の日本は自己申告制なんですよね。
ジャッキー:申告納税ってやつですよね。
原:はい、さっきのサラリーマンは勝手に決められて、税金も決められてしまってますけども、商売されてる方は自分で売上なんぼ、経費なんぼ、だから利益なんぼ、でそれに対して税金なんぼっていうのを自分で計算して自分で税務署に出すので、信憑性は本人しかわからないんですよね。でそれをチェックしに来ますっていうのが税務調査なんです。なのでサラリーマンやってる方はそもそも関係 無いですし、商売やってる方には一応定期的にどっか調べられるというルールにはなっています。
ジャッキー:なるほど、ちょっと怪しいなって人には来られやすいと。
原:そうですね。
ジャッキー:対象になりやすいと。
原:皆さんの申告書大丈夫ですよね。
ジャッキー:みんなドキドキしながら申告してるんじゃないんですか?
原:きっとそうですよね。
ジャッキー:いやほら、これ入れていいかなぁってちょっとこう迷うやつとかもね、もう入れちゃえみたいなときあるじゃないですか。前こんな話しましたよね。とりあえず入れちゃっといたらいいんじゃないですかって。
原:あんま言っていいかわからないんですけど。
ジャッキー:その時に、やってもうたーで来てしまったらやってもうたですよね。
原:そうですね。そのちょっと入れとこうかなっていうのがなんとなくばれちゃったパターンもありますし、ばれてないけどたまたま順番が回ってきちゃったっていうのもありますしね。
ジャッキー:これほんで税務調査に来るっていうことは、さっきの話の流れから察すると、ちょっと怪しいぞっていうところがあるっていう可能性が高いってことですよね。
原:そうですね。
ジャッキー:てことは、ある程度ここちゃうかって言うのを目星つけてくるんですか?
原:ことの方が多いですね。
ジャッキー:ことの方が多い。
原:さっきちょっと言いかけましたけど、普通じゃないところが目についたからちょっと調べようかなっていうことになってるんですよね。
ジャッキー:なるほど。
原:じゃあ税務調査、税務署の方も目の前に10枚申告書並べて、うーんどれ調べに行こうかなっていうときに、あ、これなんかありそうってやつは取りますよね。それってやっぱりちょっと違う数値が入ってるからそれを手に取るわけなんで。やっぱりそこ見ようっていうことになりますね。
ジャッキー:机の上に並べられて選んでいくっていう形なんですか?機械で抽出されるんじゃなく。税務調査官みたいな人が、自分たちでここ行くわみたいな感じでやるんですか?
原:それは内部のことなんで、私もはっきり知りませんけど、いろんな話を聞いていくと、集約していくと、最近はもうコンピューター化ですから税務署のコンピューターの中に全部登録されているわけなんですね。この業種やったらこのくらいの数値で妥当、普通。でもこの業種でこの数値がこうなってるのはちょっと異常みたいなのはマークがつくと思うんです。じゃあそれいこか、それいこかと。コンピューター上で抽出されると思います。
ジャッキー:健康診断のABC判定みたいなやつが。
原:そんな感じです。たぶんそうだと思います。
ジャッキー:Aだったら優良、まぁちゃんとしてそうかなみたいな。
原:そもそもなんもなさそうなとことか、よく税金払ってるとこは行ってもしょうがないですよね。あの人たちも人件費かかってますから。
ジャッキー:そうですよね。行ってやっぱり怪しいなってとこはちゃんと正して、ちゃんと納税してもらうっていうのが調査の仕事ですよね。
原:すごい良く知ってますね。
ジャッキー:普通にそう思うだけです。
原:それはジャッキーさん。そういう才能があるんだと思います。
ジャッキー:センスあります?僕も税理士なろうかな。
原:なってください。何気なく言われた「正して」っていうのが、たぶん一般的な人では「税金取りに来る」って思ってるみたいな。あかん所見つけて取りに来るって思ってると思うんです。でも実際は、本当は違うんですよ。本当は税理士さんのスタンスでいくと。決してあの人たちは悪者っていうわけじゃないんですよ。皆さんちゃんとしてくださいねっていう公平の為にちゃんとした税制にのっとってちゃんとするように、できてないところを注意しに行くんですよっていう。で、見た結果できていないところを罰金もらいますけどね。っていう感じなんで、まさにあの人たちは正そうというつもりで言ってます。1回で出来なかったら2回目3回目とかでも正してくださいっていう感じなんで、さっき何気なく言われた正そうとしているっていうのは、まさに。
ジャッキー:そういう感覚がよかったわけですね。
原:もしかしたら税務社員に向いてるかもしれないですね。
ジャッキー:税務社員…なりたくないなぁ。イメージが僕らの世代で言ったらマルサの女っていう映画あったじゃないです。ものすごい話題にもなったと思うし。
原:そうですね。流行りましたよね。
ジャッキー:流行りましたよね。ああいう系統の映画もそうだし、ドラマもなんかありますよね。
大体なんかこわいじゃないですか。めっちゃ調査されて、めっちゃ調べられて、丸裸にされるちゃうんかくらいの感じでしょ。
原:ジャッキーさんいい振りですね。ありがとうございます。特にあのマルサの女のようなインパクトが強すぎて、それが広まりすぎて、調べられるというか、強制的に無理やり吐かされるみたいな感じなんですけど。あれって実は税務調査ではなくて、調査の一部じゃなくて、査察っていうことで、まぁ犯罪者扱いに近いですね。
ジャッキー:そこはそういう調査とは全然違う、もう犯罪見つけたぞ見たいな感じで来てるわけですね?
原:そうですね。もちろんそこにはそこまでめちゃくちゃ調べて、裏を取って、そこに調べに行くんですけども。
ジャッキー:たこ焼き屋さんがやられたのはそっち側ですかね。どっちでしょうね。
原:えらい質問ですね。
ジャッキー:冒頭のたこ焼き屋さんね。脱税で捕まったっていうところまで行ったときは、査察に近い人が来てることが近いかもしれない?わかんない?
原:多分無申告って書いていたような気がするので、申告してなっかたあなた申告してませんね、って言ってちょっと調べさせてくださいだと思います。
ジャッキー:じゃあもう調査の範囲内で見つかったような感じなんですかね。
原:多分そっちだと思います。
ジャッキー:それよりもっと完全に悪質なものに対してのマルサの女が来るわけですね。
原:犯罪者扱いなので、もう動くな、なにも触るな。で、そこだけ行ったら本人さんのお店だけに行っても証拠隠滅されるかもしれないので、他店舗持っていたら全部の店舗で、自宅もそうですし、親戚の家とかもかな。なんせ可能性があるところ一斉に入ります。そんなんも映画でやってましたけど。
ジャッキー:ガサ入れみたいな感じですね
原:そうですね。ガサ入れですよ。そういうのが査察なんで、調査とはちょっと違うんですよ。
ジャッキー:調査はどんな感じなんですか?
原:調査は、入り口は電話かかってきます。調査させてくださいと。いついつの日程がいいんですけどいかがですか。って本当に温和にアポ取るみたいな感じに。
ジャッキー:その日程はある程度こっちの融通も聞く?
原:そうですね。あくまでもあの人たちはちょっと確認させてくださいっていう意識なので、仕事の邪魔にならないところ、まぁ公務員なんで平日なんですけど、平日にちょっとお時間頂けますかっていう形で忍び寄ってきます。
・21分半くらいまでできてます。
ジャッキー:来た時って、「触るな」とか「何もするな」とか「これ出せあれ出せ」みたいな感じじゃないんですかね?
原:全然違いますね。「経費が分かる資料出してください」とは言いますけど、「これこれが分かる資料出してください」とか「これってどういうものですか」とかフレンドリーですね。
ジャッキー:じゃあ、「経費に上がっているこれは何だったんですか」とか、チェックされるみたいな。
原:ものを見ただけでは分からないものを質問されたり、「これはこうこうですよ」「なるほど分かりました」で済むものの方が大半です。教えてくださいっていうスタンスなので、正直全然怖くありません。納税者さんも「協力する」っていう姿勢で行ってますから、拒否とか「それは見せません」っていうのは協力してないからダメですけど、全然関係ないものを、例えば「パソコンの中をずっと見せてください」とか、そういうのは拒否することができます。「ちょっとあっちの部屋見て良いですか?」とか「このファイル見て良いですか?」とか、商売に関係ありそうなものだったら拒否しにくいですけど、全然関係ないものを見ようとしてたらそれは拒否することができます。よくね、なんかあるんちゃうかと思って引き出しを開けようとする調査官もいます。でもそれはちょっとダメですね、そこにはプライバシーのものも入っているかもしれません。
ジャッキー:そこまでする権限は無いということですね。要は、向こう側からこれは何ですかって提出を求められたり確認を求められたりした時に、それに素直に対応しておくだけでOKということですね。
原:姿勢としてはそうですね。
ジャッキー:「それは嫌だ」とか、そういうのはやめた方がいいということですね。向こうの問いに答える方がいいと言うことですよね。
原:はい。でも、ご自身が何にもなかったらいいんですけど、ちょっと怪しい感じの人は、「いや、ちょっとそれは」とかなる。そういう時が困るんで、みなさん素直に申告していただきたいんですけど、まあなかなかそんな人いないと思います。
ジャッキー:申告を全部自分でやるって言うことが基本だと思いますけど、税理士さんに申告をお願いしてやってもらってる場合っていうのはどんな対応になるんですか?一緒に立ち会ってもらったりとか、税理士さんが対応してくれたりとかっていうのはあるんですか。
原:基本的に私たちみたいな税理士は、調査のお話があったら立ち合います。立ち会うっていうか、補助じゃなくてほとんど私たちが応対します。
ジャッキー:申告書を作ってもらってるんですもんね。僕らが、領収書とか売上の伝票とかを全部お渡しして、ある程度作ってもらって、税理士の先生からも確認されて、でそれで申告書作ってもらってるから、僕らよりはちゃんとわかってるはずですよね。
原:そうですね。本当の使い道、「この領収書は誰とどうされたんですか」とかそれはちょっと社長さんに聞くことありますね。大概は私たちで対応できるような内容になってますから、ほとんどもう私たちがお話しします。みなさんやっぱり怖いですよね。
ジャッキー:なんかね、調べにこられるみたいな感覚があるじゃないですか。だからなんかちょっとドキドキしますよね。
原:私たちも最初はそうでした。自分が申告したものが調べられるって感じでしたけど、最近はもう落ち着いてきて、「なに悪いとこがあんねん」みたいな感じではいますけど。私たちの役割としては、あかんもんはあかんであると、真っ黒なもの。で、全然大丈夫なもの、こっちの方が多いですけど。で、間のこれどうかなっていうもの、いわゆるグレーなもの。あかんものは印紙とかそういう貼ってないといけないもの貼ってなかったら、それはもうダメですよね、あるものが無しになってた。でも、「誰々さんとご飯に行きました、これ交際費です、これは経費ですよね」って、これは経費じゃ無いんじゃ無いんですかって、それは真偽がわかりにくいじゃないですか。行った人は「これ仕事の話してるよ」って言いますよね、でも税務所がそれあかんとは言い切れない。そんな感じで人によってちょっとグレーなところ、ものによってグレーのところがあって、そのグレーなところをいかに白に持っていくか、あれやこれや証拠とかつけて白に持っていくかっていうところが、税理士の腕の見せ所で。そこでちゃんと戦ってくれる税理士っていうのはいい仕事してますよね。
ジャッキー:噂ですけど、調査に来たら絶対に何か持って帰るみたいな話があるんですけど、やっぱり持って帰るんですかね?ほぼ。
原:まぁ一応あの人たちもタダで来てるわけじゃない、人件費払ってきてますから「なんか取ったろう」と思って来てますけど、無理な時も全然あります。私たちも、半分以上何もなしかな、半分以上はちょっと言いすぎか。
ジャッキー:しっかり戦ってくれてるわけですね。
原:そうです。うちは戦う税理士事務所ですから。
ジャッキー:なんか困った時は原さんのところにお願いしとかないといけないですね、先にね。
原:是非うちに依頼来ていただけたらと思います。
ジャッキー:ありがとうございました。