2010.1.20 事業的規模のメリット
ある一定の規模以上で不動産事業を行っている場合(=事業的規模)、
所得税の申告上、有利になるポイントがあります。
青色申告特別控除
貸家5棟、または貸室10室を超える不動産を保有している場合、
事業的規模として認められます。
きちんと記帳して青色申告すれば、65万円の所得控除が認めらえます
(青色申告特別控除)。
専従者給与の支払い
事業的規模となると同一生計の家族への給与が経費として認められます
(専従者給与)。
例えば、奥さんが賃貸業の仕事に従事している場合、
奥さんに給与を払うことができます。
奥さんは給与所得控除が65万円、基礎控除が38万円ありますので、
合計103万円までは奥さんに所得税がかかりません。
奥さんの税金はかからずに、経費を増やすことができます。
2010.1.20 小規模企業共済のメリット
小規模共済とは?
小規模企業共済は、事業主等を対象とした、国が運営する退職金制度です。
個人事業主や小規模企業等の会社役員が廃業・退職した際に、
共済金等が支払われます。
小規模共済の特徴
1.所得税法上、掛金の全額が所得控除として認められる。
2.共済金の受取り時は、共済金は退職所得又は公的年金等の雑所得扱いとなる。(死亡退職時は、みなし相続財産)
3.納付した掛金総額を上限に事業資金の貸付けが受けられる。
加入資格
常時使用する従業員数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の
個人事業主及び会社の役員等
掛 金
1,000円~70,000円/月
500円刻みです。
半年払い、年払いもできます。
事例
●所得税・住民税
税率43%の方が5万円/月に加入した場合、
5万円×12ヶ月×税率43%=25.8万円(年間の節税額)
●相続税
死亡退職時の共済金は、法定相続人が3人の場合(配偶者、子2人)、
5百万円×3人=1,500万円まで非課税。
2010.1.20 相続税対策
相相続対策としては、「節税対策」・「もめない争族(相続)対策」・
「納税資金対策」・といわれる3つの対策があります。
節税対策
節税対策としては、生前に財産を減らしておくこと、財産自体の評価を下げておくこと、そして基礎控除額を増やすこと、借入金による資産の購入が
あります。
財産を減らす方法
相続財産を減らすには、生前に財産を家族等に贈与しておきます。
贈与税には、1人当たり年間110万円の基礎控除がありますので活用しましょう。
相続発生までの期間が長く、また贈与する人数が複数になると贈与する財産も増え効果は大きくなります。
例えば、妻と子供2人にそれぞれ110万円ずつ10年間贈与していくとすると、3,300万円の財産が無税で減少していくことになります。
ただし、毎年同じ金額を贈与する場合には、注意が必要です。
例えば、毎年100万円ずつ5年間贈与した場合、『5年間にわたり合計500万円を贈与する権利を最初の年に贈与した』と
みなされて税務署にその500万円で贈与税が課税される恐れがありますので、
年によって贈与する財産の内容や金額をかえてみましょう。
また、贈与契約書を作成し、資金移動には預金口座を利用し証拠を残すようにします。
この生前の贈与で、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されて相続税の対象となりますが、贈与により納付した贈与税額がある場合には、
相続税額から控除されます。
財産の評価を下げる方法
財産の評価を下げる方法には、さまざまな方法があります。
代表的なものは、更地を所有している場合に、そこにマンションやアパートなどを賃貸する目的で建築することで、更地で所有する場合に比べて
土地の評価を下げることができます。
また、自宅や事業用の不動産については、小規模宅地等の特例により評価額が下がりますので、事前に適用要件を確認しておくことが大切です。
ただし、マンションなどの賃貸物件の所有には、管理にお金も手間もかかりますので、安易に相続対策だけを考えて実行することは避け、将来を見込んだ実施計画が必要となってきます。
基礎控除額を増やす
通常相続人には1人600万円の基礎控除額があります。
つまり相続人が1人増えると基礎控除額も600万円追加されてその結果相続税額の計算の基礎となる課税価格が減少し、税率も下がり
納付する相続税額も減らすことができます。
また、相続人の増加により、生命保険金や死亡退職金の非課税枠も増えることになります。
では、相続人はどのように増やすのでしょうか。
それには養子縁組制度を活用します。
民法では、養子縁組に人数制限はありませんが、税法では実子がある場合には複数いても養子は1人、実子がいない場合には2人までと人数制限が
ありますので注意しましょう。
ただし、相続人が増えるということは、遺産分割でもめることも予想されるため争族対策は重要になってきます。
借入金による資産の購入
例えば更地を所有する人が建物を建築するときに、自己資金ではなく借入金により資金を調達し、その後相続が発生し借入金の残額がある場合には、
その借入金の残額は全額相続財産から差し引いて(債務控除)相続税額を
計算することになりますので、相続税額を減少させる効果があります。
ただし、この借入金は相続人が引継ぐことになるため、返済ができるものでなければ相続人の負担が大きくなってしまいます。
争族(相続)対策
相続が発生し相続人間の遺産分割争いを防ぐための対策として効果のあるものに、遺言書があります。
遺言書を作成する場合には、全ての財産についてどの財産を誰に分割するのかを記載し、遺留分には配慮することが必要です。
また公正証書遺言が望ましいでしょう。
財産を残される方が自分が亡くなった後、どのように財産を相続してほしいのかを明らかにしておくことが重要です。
尚、遺言書の種類・作成方法に関しましては、「遺言書作成」をご確認ください。
納税資金対策
相続税は、現金一時納付が原則となっています。
相続財産のうちに現預金の占める割合が大きい場合には、納税資金には困りませんが、そうでない場合には、資金の確保が必要となってきます。
それには、死亡退職金を充てる、生命保険を活用する、資産を売却して現金化するといった方法があります。