不動産管理会社の活用
不動産管理会社を設立し、所得を分散させることで節税効果が見込まれます。
所得税は累進課税となっており、高所得は高税率、低所得は低税率と
なっています。
管理会社を作り、個人のみで計上されていた所得を不動産管理会社にも
分散させることで、税額合計を下げることができます。
移転する方法は下記の3通りですが、
会社として実態がともなっていない場合(管理業務の実在性がない場合)は、
税務上否認されることがありますので注意が必要です。
管理委託方式
まず、賃貸の管理を設立した管理会社に委託します。
管理会社に収入が入るので、自分の配偶者などを役員にして給与を支払います。
そうすることによって、オーナーの収入が分散されることになりますので、
所得税・住民税が安くなります。
一括賃貸方式
管理だけを委託するのではなく、建物全てを設立した管理会社に賃貸します。
管理会社は第3者へ転貸します。
その代わりに管理会社は空き室などのリスクも背負うことになります。
そのため、管理委託方式に比べ、管理料は高くなります。
不動産保有方式
オーナー所有の建物を、設立した管理会社に売却する方法です。
土地の所有者はオーナーのままにしておき、管理会社はオーナーに対して
地代を支払います。
売買物件の収支から支払地代を差し引いた額が、法人の所得となります。
このように多くの所得を法人に移転できる手法があります。
しかし、要注意点は、所有権移転にはコストがかかってしまうことです。
実際に管理業務を行っていても、管理の内容に比して管理料や
給与が高額な場合は、意図的な所得分散と見られて税務署から否認されることもあります。